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第22回遠州横須賀街道ちっちゃな文化展


虚ろ(鴉)展示風景-@芳野康広邸


はじめて、遠州横須賀街道ちっちゃな文化展に参加させていただいた。 アートの力を借りてまちなみの魅力を引き出したいと24年前に立ち上がったというこの文化展。今季で22回目。


掛川市の景観形成重点地区に指定され、商店が軒を連ねる街道沿いに高校もあり、文化展のボランティアなども高校生がその一部を担ってくれている。 実行委員会のスタンスもアーティストに優しい印象だ。 初回より参加する面々もおり、「赤ん坊が高校生になったり、中学生が親になったり、参加する面々は同窓会みたいだよ」と語る。

街道に鎮座する「三熊野神社」には「八咫烏」。四月には大きな大祭もある。 会期中土曜日夜には、三熊野神社中祭信心神楽(おちちんどんどん)が開催されたが、朝のぼり旗を建てるお手伝いだけさせていただいた(土曜日は9:00-21:00がコアタイムのため会場から離れることができない)。


拝殿見返しや中央に掲げられた立体彫刻の八咫烏‥この三熊野神社の存在もあり、立体造形の佐野彰秀さんと黒い鳥、美しい鴉の世界観を空間芸術として表現することにした。


鴉は、私に黒という色の美しさを教えてくれた特別な存在だ。








ライフワークとして撮影している彼岸花や紙垂、巨樹巨木などと並び、鴉も私は依り代だと思っている。

特に彼岸花や鴉という存在は、死や忌などと結び付けられてしまうことが多く、存在自体が不吉で気持ち悪いとする人も少なくない。


一番身近な鳥で頭も賢い鴉だが、雑食性で死骸をついばむ印象が強いのか、悲しい哉「汚い」ともされてしまう。

しかしその、よく見るけどよく見ない(観察しない)鳥は、美しい羽を持っている。

黒はすべての波長を持つ色なので、本来はとても高貴な色であるし、その黒をまとった鴉は、人に媚びず気高く生きており、知能は3、4歳児並。家族の繋がりや仲間意識も深い鳥なのだ。


鴉の換羽期を狙い、鴉の羽を2年で300枚近く収集。

私は15,6枚しか貢献できず、主体となって集めてくれた佐野さんは「拾うこともアートだった」と笑ってくれた(本当にありがたい)。

その黒い羽根が空間に舞い落ちた瞬間、障子に満たした私の写真と佐野さんの立体造形による鴉が繋がる。



女性の髪は烏の濡れ羽色と比喩されることがあるが、私は黒髪の女性を鴉に見立て、実体の鴉ではなく鴉の世界を表現しようと試みた。






床の間のメインは、別々の写真で1枚を構成するフォトコラージュを用いた。



鴉が羽根を脱ぎ捨てて昇華されてゆく残像のイメージ。


下の動画、、 お客様が少し落ち着いた合間の手持ち撮影でブレている。来年の展示も決まったので、そこまでに表現も色々とブラッシュアップせねば。

ご来場いただきまして、ありがとうございました。






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