場が作るミラクル

表参道の個展のために(2018年3月ショップ&ギャラリーPICTORICOにて開催)、 モデルとしてずっと追いかけている女性を撮った。 彼女は、 果実や野菜、スパイスにハーブなどを用いて、
色とりどりのジャムを創作するジャムアーティストだ。 出会いは、カーステレオから流れるラジオ番組だった。
そこに出演していた彼女の「声」が気になり、居ても立っても居られず、すぐに連絡をしたのが4年前。
そこから、たくさんの時間を共有してきた。

暑い夏の日に仕事としてモデルをお願いしたり、
初冬の日の入り前に戯れでCMの真似事をしたり。

女として生きる彼女が眩しかった。
女が生きることの、楽しさと辛さ。 嬉しさと喜び。 悲しみ。

特別な誰かにだけ見せる、
「オンナ」の面。
女が見せるオンナの世界。
女が輝くオンナの一幕。
それは泡のように消え、ほんの一瞬だけ結像する幻のようだと思った。 だから私はその像を透明にし、美しい器に水をはって浮かべた。
オンナの世界は泡沫(うたかた)だから。

彼女のしぐさ、その表情。貌。
それは私と彼女だけがいる世界で、その場が作った偶然の世界に他ならない。
時間を長く共有してきたからこそ、あの日があり、今がある。

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model : Ayako(JAM artist)
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